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日本伸銅協会  会長   古河 潤之助

 平成17年の新年に当たりまして、一言ご挨拶をさせて頂きます。
 振り返りますと、平成16年の年頭は内外に不安定な要因を抱えながらスタート致しましたが、日本経済はアメリカ経済の拡大基調と中国経済の高成長に支えられ、企業業績の改善による設備投資の回復と、個人消費の予想以上の底堅い推移等、当初の想定以上の拡大を示してまいりました。また分野別には、ITやデジタル関連製品、自動車等の好調さが鉄鋼他の素材部門に波及し活況を見せました。
 
 さすがに年の後半に入りますと、原油価格の高騰他の要因もあり多少の息切れが見られ始めてはいますが、概して堅調な推移であったと思われます。発表されている各社の中間決算や年度決算予想からも、日本経済が好調に推移した1年であったことを窺わせております。


 伸銅業につきましても、前年を上回る好調さを維持し、数量の伸びを示しました。上期の拡大基調が続く一方、下期に入り受注量に翳りが見え始めましたが、受注残もあり年度を通じての伸銅品生産量は104万トン程度と見込まれます。
 
 品種別に見ますと、電子部品や自動車向けコネクターの旺盛な需要により、板・条がこの1年間の伸銅生産の伸びを下支えしてまいりました。
銅管につきましては、猛暑効果による夏場以降の特需が見られました。
また、黄銅棒は銅価高騰の影響も受け、広範囲の需要分野で、年間を通し底固く推移してまいりました。


 それでは今年の日本経済を見通しますと、昨年秋口からの成長率の鈍化が気にかかるところであり、各種の指標がそれを示し始めています。日本経済を支えてきた携帯電話やIT関連製品も在庫の積み上がりが見られ、輸出も鈍化しています。

 先々の見通しに不安感を残しながら平成17年を迎えることになりました。しかし各種調査機関の今年の経済見通しでは、日本の実質GDPは前年比0.5%から政府見通しの1.6%までバラツキはあるものの成長が見込まれており、海外経済も急速な減速の懸念は小さく、本年が高成長から安定成長にソフトランディングすることを期待したいと思います。


 私ども伸銅業の需要と生産動向についても同様で、足許は需要の減速感を見せ始めていますが、個々の動きに一喜一憂することなく年間を通して着実な計画を推進して行きたいと思います。
品種別では、電子部品の調整局面もそれほど長期化せず、春先には回復基調に戻るとの見方が一般的ですから、板条の需要は安定的な水準に留まると見込まれます。

 銅管については、エアコンの動向に影響されますが、総じて前年並みではないかと考えられます。
 黄銅棒は、厳しい需要分野もありますが、自動車やデジタル家電等は堅調を維持するため、全体としては横這い程度と見込まれます。
 
 こうしてみますと、平成17年度は数量面での大きな伸びは期待できませんが、前年並みの104万トン程度で安定的に推移すると想定しています。


 新年の伸銅業の課題と取り組みを考える上で、構造的な課題には継続して取り組み、中期的に強固な事業と経営基盤を目指さねばなりません。

 先ず、グローバル化した経済社会の中で、日本の伸銅業がその役割を担い続けるためには技術に裏付けられた製品の差別化が肝要です。個別企業だけでなく業界としても、拡大していく国際市場への対応及び技術課題への対応を、産学官の連携により積極的に推進したいと考えます。

 次の課題として、伸銅品の環境対応や新規需要開拓も進めなければなりません。鉛レス、カドミレスへの対応もユーザーの皆様のご意向を伺いながら進めてまいります。
業界の再編課題に関しましては、品種別に少しづつ事業統合が進みつつありますが、欧米の規模と比較すると、まだまだ業界再編は途上にあると認識しています。


 こうした一つ一つの課題に対し、私ども日本伸銅協会は今年も全力で取り組んでまいる所存でございます。そのためにも、関係業界の協力と関係官庁の支援体制が必要なことは言うまでもありません。伸銅業界が更に貢献出来ますよう、引き続き皆様方のお力添えを頂きますよう宜しくお願い致します。


 最後に当たりまして、会員の皆様方のご協力と関係官庁と関係業界の皆様方の一層のご指導とご鞭撻をお願い申し上げ、私の新年のご挨拶とさせて頂きます。

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